6Lエンジン積んだセダンを当たり前に走らせているアメリカ人から「環境基準に違反している!」とか言われて怒り心頭なVW・・・たしかに偽装工作はダメですけど。とりあえず迷惑をかけてないはずの日本市場でも、米政府の指示で垂れ流されている?中身カラッポの報道に煽られて、頭の中カラッポ(自分で考えられない)の日本のクルマ好きな輩が、ここぞとばかりに好き勝手に吠えて始めていて、どうやらイメージダウンは必至です。
もちろんVWも悪いですけど、日本のクルマ好きも本当にくだらないことで掌返しをしますから始末が悪いです。なんだかんだ言ってもVWは日本車の黎明期に目指すべきお手本とされた由緒正しいメーカーです。1980年代には日本車の性能が上回ってしまって、今ではVWへのリスペクトが薄らいでしまっていますが、特にホンダ、マツダ、スバル、スズキが現在の地位にいられるもVWがかつて(1970年代まで)輝いていたからだと言えます。今回の事件をきっかけに日本でVW車の売り上げが予想に反して伸びたりしたら、日本人も捨てたもんじゃない!と溜飲が下がるのですが・・・。
こんな時だからこそVW車を買ってみましょうか? そしてUnderworld の絶頂期の名曲「Born Slippy」でも聴いてドライブ。この曲は・・・長引くイギリスの不況がいろいろと回り回って社会不適格者を生んで行くといった「クローズアップ現代」のようなテーマを、全編ナンセンスなネタで覆い尽くした超絶に痛々しい映画だった「トレインスポッティング」に使われたやたらと豪華なサントラを彩る1曲です。階級社会であるイギリスの闇といえばケン=ローチという映画監督が浮かんだりしますけど、彼のドキュメント映画を見るたびに「イギリスって悲惨だな」とか思っていたのが15年前・・・。気がつけば今の日本もまったく同じ構図に人々が放りこまれています。ロックスターかサッカー選手(野球も)になることだけが、平凡な人生から抜けられる唯一の方法・・・。
それでも「楽しめる人生ならそれでいいじゃん!」・・・お〜確かに!だけどクルマは階級に相応しいVWにしておきましょう!間違ってもメルセデスやBMWみたいな成功者のクルマに乗ってはダメですよ(うるせえ〜)。日本では大して成功してないのに、平気でBMWディーラー行って400万円くらいのショボいモデルを残価設定ローンで買ったりするとんでもなくダッサいヤツがたくさんいますけどね・・・。文化、リスペクト、教養・・・これらを一切わきまえないで、VWに痛々しい言葉をぶつけるアホ日本人が恥ずかしい限りです。
「トレインスポッティング」が公開されたのが1996年。当時はグローバリゼーションなんて言葉が使われはじめ、まだまだ中国の存在感は薄くて、アメリカの軍事力と経済力の前に世界中が反抗できなかった情けない時代。アメリカのモノとサービスが世界の標準になり、「マクドナルドが出来た国では内戦が起こらない!」なんてドヤ顔でアメリカのジャーナリストが吠えてました・・・。
アメリカの基準に服従したメルセデスとBMWがバブル崩壊後の日本でも人気。けれども・・・そんなタイミングだからこそ、当時おそらく世界でもっともリアルに日本の未来を暗示していたイギリス(欧州)からどばどばと日本の若者に影響を与えたカルチャーが入ってきました。ロック(クラブ音楽)とフットボール・・・アジアの若者を直撃してます。当時はイギリス労働者階級が乗るブランドの一つであるVWがやたらとクールに見えました。しかし今の日本市場のVWはなんだか高級車みたいに語られてしまって(アホか?)・・・ついていけないです(これはダサい!!!)。
今回の一件で高級車として売られているメッキがいい意味で剥げてくれれば、再びVWは本来の姿のまま日本で輝けるのではないでしょうか? 国内製造を減らしているホンダの工場でも1つ買い取って日本製のMQB車でも作りませんか?